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アンティークポジャギ / no.19(モシ)

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陶磁器やガラスよりもはるかに儚い染織工芸より、

朝鮮王朝時代のポジャギをご紹介してまいります。


こちらは主に夏服に用いられることが多かったとされる モシ(=苧麻) でチマチョゴリなどを仕立てた折に出たハギレや、

あるいは着古した衣服の反故布などが縫い合わされたポジャギとなります。

極寒の地ゆえ木綿が育たず、そして当時の教え(儒教=質素倹約と質実剛健が美徳とされた)も手伝って

朝鮮王朝時代の庶民は麻(苧麻と大麻で春夏と秋冬服を分けたくらいの麻オンリー)のみを纏った彼の地の服飾事情。

色味にも統制があり、庶民は無染色の生成りあるいは白、色のあるものは祭礼時にのみ許されたそうです。

厳しい統制下、女性たちは針仕事をすることで自らと向き合う時間を得て、
きっと心鎮まる(時に心踊る)時間を過ごしたことと察しています。

本来の 包む という用を離れて、光に透かすと、接ぎ合わせの重なりの箇所がくっきりと浮き出て
ステンドグラスのような陰影が生まれるところもポジャギをしつらいに取り入れたり、アートとして愛でる際の魅力の一つかと思います。

光を取り入れる方法としまして、屋内の直射日光の当たらぬ場所で 間仕切り 的に吊るし透け感を。

または、少し壁から浮かせて吊るし、背面からスポットライトを当てる、など。

*染を施した生地が用いられているポジャギは直射日光に長時間晒されるようなご使用は染料の退色を招きますのでご留意くださいませ。

穴が空いたらまた繕えば良いのです、布ですもの。

たのしみながら育まれてください。

。。。。。

● アンティークポジャギ / no.19


シンプルなパターンの接ぎ合わせながら
配されたピンクの濃淡の端切れと布目に軽やかさとリズムが感じられて、
作り手が晴れやかな心持ちで縫い進めたであろう印象を受けたポジャギ。

(ピンク3種 おそらく紅花などの天然染料、無染色の生成り2種、晒した真っ白などが用いられています。)


朝鮮王朝末期(19c末-20c初頭頃)

材質:モシ(手績みの苧麻)

四隅の紐抑えと紐、縁取りも モシ が使用されています、紐のみミシンで縫われているので後の時代に用に沿って取り付けられたのやもしれません。(あるいは当時最先端のミシンを用いられる環境の民によるものでしょうかー)

寸法 約 W78〜79 L75.5〜79 cm

* 小さな穴やスレ、傷み、染みの残る箇所もありますがこの布の生きてきた証と捉えて頂ける方に。
(染みに関しましては光に透かして吊るすと気にならない程度かとは思いますが、個人差のある事ですので画像にてよくよくご確認くださいませ。実店舗でもご覧いただけます。)


画像1 - 9 枚目は自然光で透かして撮影しています、
10 - 16 枚目は、こげ茶色の板の間を背景に自然光で撮影したお色味、
最終画像は麻が 手績み された1本の糸の繋ぎ目部分の拡大画像となります(糸からもう美しいです)

ご参考までに。

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