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梅に鵲図 / 文箱

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中国では唐時代より
その鳴き声を聴くと
新春(=日々新しい朝)を迎えいち早く嬉しい便りを告げる鳥 とされた鵲(かささぎ)
同じ韻を持つ梅(眉)と取り合わせ「喜上眉梢」図として親しまれ
美術工芸品の中に連綿と生き続けている図柄で
陸続きの朝鮮工芸にもその精神性と共に伝播した吉祥文様となります
(大阪市立東洋陶磁美術館収蔵品:鉄砂 梅鳥文 壺 ←リンクは貼れませんが図柄類例の1つとしてご参考までに)

こちらのお品物は欅材で造られた文箱で
蓋部分には李朝工芸の特徴をたたえた
デフォルメされた梅の古木に対の鵲(カササギ)が飛来し囀っている様子が
迷いのない刀運びで堅木に彫り表されています

これまでの時間大切に手入れされながら使われて
そして伝わって来たことを感じさせる手擦れは艶をたたえ深い古色となり
経年と共に生漆は透明感を増して

欅の柾目を用いたあたりにも作り手の心配りが感じられます
早春の大地の息吹を思わせる箇所(向かって右側あたり)
梅の幹や枝そして蕾にいたるまで

作られた時代は
日本の工芸ならば江戸中後期から幕末ごろ
あるいは朝鮮の工芸ならば李朝時代後期ごろの作かと鑑みています

(蓋裏に残された墨書きも判読不可でして製作地(民)の断言は難しいお品となります)

いづれの国の工芸にせよ
物のたたえる魅力が優り手に取りました次第です

刻み現された吉祥文様の表現のなす技でしょうか
清々しくも朗らかな心持ちでその精神性と対峙出来得るような
名もなき民の工芸(民藝)のお品かと思います


* 経年の傷みがございます。
脚の欠損、蓋の上板と身の底板に若干の反りが見られ隙がございます。
(この状態で既に長くあり、乾燥し反りは既に止まっていると思われます)

画像をご参照くださいませ、
実店舗へのご来店が可能な方は是非お手に取ってご覧いただけますと幸いです。

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● 梅に鵲図 / 文箱

製作地 日本 あるいは 朝鮮

18c - 19c

欅材

外寸 ± W28.8 D32.6 H5.5 cm
(身の内寸 ± W26.6 D30.3 H4.6 cm) 

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