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生命の樹 / スータール人 祭礼布

¥50 税込

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初見の布でした

茜で染められた手紡ぎ手織り木綿(カダール織)の目地を数えやすいように
経緯の要所要所の糸をあらかじめ抜き取り
フレームとなる部分はドロンワークで刺し進められて
メインの祈りの文様は撚りのない絹の平糸でダーニングステッチが用いられています

タール砂漠の民 * スータール人 の祭礼用刺繍布に出会いました。


生命の樹、羊の角(あるいはエルベリンデ)、邪視避けの八芒星
それから片一方のエンドボーダーには万字紋(宇宙のエネルギー)も見られます

茜の素地に映えるよう
1度では出すことが難儀な緑色の糸をふんだんに用い

その周りには、藍、ラック、黄、などの自然由来の色糸が
所々突如として色糸が変わっている箇所も
想像を掻き立てられます
(足りなくなってはまた用立てた、またはイスラム美術ならではの信仰心の表れとも取れますがいかに?)

木綿のマットな質感に絹の平糸で表された祈りの文様が
今もただ穏やかな光できらめいています

.....

Wikipediaより→ タール砂漠 (Thar Desert)(大インド砂漠 Great Indian Desertともいう)は、インド・ラージャスターン州、パキスタン東部にある砂漠で、インダス川が砂漠の西方を流れ、流域はインダス文明が栄えた。

.....

パキスタンの染織布と言えば
以前より額装品等の形でご紹介ご提案をしてまいりました
フルカリ(パキスタン パンジャーブ州) が思い浮かんだ方もおられるのでは

こちらの祭礼用刺繍布もフルカリと同様の地布、カダール織と
絹の平糸の刺繍技法(西パンジャーブのイスラム様式)が用いられています

スータール人が住んだタール砂漠地方の西方に流れるインダス川
上流(ヒマラヤ山脈方面)に遡るとその先にはパンジャーブ州が
さらにその水源はチベット(仏教エリア)となります

立地的にも川が文化を運び影響を与え合ったたことが
刺し表された文様や染織技法からも伺い知れるようで興味深い希少な染織裂です。

(サイズ的に想像すると女性用のベールあるいは戸口や卓上などの掛け布でしょうか)


→ * スータールとは 大工 のカースト(ジャーティ)
(本来はヒンドゥーの教えに基づく総称ですが、インドやパキスタンではヒンドゥー以外の宗教でも カースト の意識を持って生きた人々が有ったようです)


* 地裂が細番手の手紡ぎ木綿による打ち込みの弱い織り地(カダール織)のため撮影時に背景の色や光の影響を受けやすく、、
現物のお色味(いわゆる茜染の深い燕脂色)の印象は1、5、6、7、15辺りが近いかと思います。

また、最終画像の2枚は同地域の同手の染織品が掲載された書籍
 シェイラ・ペイン著 「インドとパキスタンの刺繍」  より参考画像としてお借りしました。(心惹かれ手に取った布の製作地や民族に辿りつけました次第です、ありがとうございます)


* 画像は屋内での自然光撮影となります。(1枚目と最終画像書籍の2枚は日が暮れたあとにLED照明 1枚目は現物に近く色味を加工しております)
** パキスタン染織の中では古手のお品かと思われます、経年と使用による刺繍糸の擦れや地布の裂け、小穴などがございます、画像にてご確認くださいませ。
*** 実店舗では現物をお手に取ってご覧いただけます。

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● 生命の樹 / スータール人 祭礼布



パキスタン南部 シンド州

タール砂漠地方 スータール人

推定 19c末ごろ

手紡ぎ木綿地に生糸手刺繍

動植物由来 天然染料

約W47 ×L110 cm

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