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旗指物 その2 / 麻裂紺地に五曜

¥55,000 税込

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澄んだ夜空に

ぽっかり浮かぶ満月のような

旗指物
 

直感に訴えかけてくるようで手に取りました。 


旗指物は、平安時代より寺社仏閣での神事の折、神が降臨する指標としての用などに始まったとされ、
戦の時代に入ると、武士達が戦場で腰や脚などに受け筒に刺して身体に備えたり、手に携えて
自身の在処や身分を示したり、モチベーションを保つ為の指標としての旗に、
戦を必要としない平穏な時代に入ると、祭祀の折の指標としての旗へと、
本来の精神性は保ちつつ時代とともに用の変化をとげてきたもの。

今旗は 紺地に金の丸が縦に五つ 並んで
簡素ながら力強い意匠で、楚々とした素材を用い凜とした色調で表されたもの。

家紋としての切り口から見ますと 丸紋 は 曜紋(星紋) と呼ばれ、
月や太陽、星などへの天体信仰が由来の、五曜文(五つ星)と呼ばれる家紋が見られます。
今旗が 五曜 を表しているとすれば 火・水・木・金・土 五つの星、あるいは
太陽であれば日輪様、月であれば月輪(菩提心)を表しているとも捉えられます。


なお、下記②にてリンクを貼らせていただいた、同様の旗印が用いられた馬標には - 黒地5ツ白餅 - とされていました。
→ 餅紋 は 望月 の 望(ボウ • モチ) より派生したとの説が見受けられましたのでやはり、天体信仰を元に表されたモチーフでしょうか。
( 他にも、望→餅→持つ = 城を持つ 説など、当時ならではのシュルレアリスムを伴う吉祥文様とも捉えられます。)

今旗に残されていた手がかりの一つ、所有者名 を表したであろう墨書きに着目してみましたがあいにく、個人に結び付くことはかないませんでした。
( この頃の武士は 本姓と実名、名字と通称 など、場合によって名を複数所有し使い分けていたそう。中世以降の武士は、自らの領土名を名字として名乗るケースが多かったことからも 萩山氏が「 萩の咲く山にちなむ人 」で有ったことが伺い知れます。)また、地名で追ってみますと、萩山という街は 東村山市(東京)、豊川市 • 名古屋市(愛知県 )に現存しています。
また、萩山姓 は、伊予、駿河など関東以西に多く残る名字とか、糸口の一つに過ぎませんが併せて記させていただきます。

江戸時代(1600〜1868年)に作られた旗指物と鑑みております。

武家諸法度(内容は割愛)が1615年に発令され、また1635年には参勤交代が、
徐々に法や制度が浸透し、大きな戦の必要がなくなって行き日本史上最も平穏だったとされる江戸時代の歴史的背景から察しましても、
戦の為の染織工芸品の用であれば、さらに遡る可能性も。

戦火や天災の難をのがれ今に伝わったことと思います。手工芸の中では儚き染織裂、良くぞご無事で。


役割を終えた今、次なる担い手の方の指標となるべく
太古より変わることなく夜闇を照らしてくれる 満月 のように厳かな光を放ち続けています。


* それぞれの地裂、糸にリキは残っておりますので布の表情(透け感やしなやかさや手馴染み)をお愉しみいただく場合にはこのまま飾られても、( 使われた当時にならって掲げた場面を想像出来うるよう、壁から浮かして撮影した画像( 17.18枚目 )もございます、あわせてご参照くださいませ。)
保存を第一に とお考えの折は額装や軸装など更なる愉しみも → ご購入後のご相談も承ります。

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● 旗指物 その2 / 麻裂紺地に五曜

サイズ ± W35.5 L50 cm

材質
* 素地 手績み麻 紗織 ( 手触り:糊が効いているようなハリが有ります、リキ有り。 ) 画像 8枚目に手績み箇所の拡大画像あり
補強糸 絹 ( 中央の曜紋から4角に向かって放射状に ) 

* 丸文部分 紙に金彩色 ( 旗の両面より挟み込み力糸と同様の絹糸で文様なりに縫い止められています。片面の下二曜に落款 ( 判読不能 ) 画像2,6,7 )

コンディション 紙に虫喰い跡、中央の曜紋に糸のほつれと地裂に破れ、その他にも地裂に記載し切れない小さなダメージ(地糸の切れている箇所など)がございます、画像にてご参照いただけますと幸いです。

袋乳(ふくろち)

墨書き 萩山雅憲雅弘

* 同時期に萩山姓の墨書きの残る異なるサイズの旗指物にもご縁をいただきました、ご興味お有りの方は 旗指物 その1 / 生絹裂紺地に五曜 も併せてご参照くださいませ。

** 桃山から江戸初を生きた大名や武将の旗印に、今回ご紹介の旗指物と色調は異なるものの、同じ意匠の紋を用いた旗印が2つ見られました。
以下書籍より引用し参考画像にさせていただいております。
   
” 戦国武将「 旗指物 」 大鑑 “  加藤鐵雄(著)竹内淳夫(発行者)/ 株式会社彩流社 

P24 ● 大名:浅野長重(天正16-寛永9年,1588 -1632 )馬印/黒地白餅五つ(当ページ画像19枚目左側)

P240 ● 武将,旗本:向井忠勝(天正10-寛永18年,1582-1611)足軽指物/白地朱の丸五つ(当ページ画像19枚目右側)

( なお、 旗印 の紋様は、家紋に準ずることもあれば、家紋とは別の、信仰心に基づく紋様や文字紋などが自由に用いられたこと、
また、一つの旗印を、複数の異なる色調にて表し用いた( 合戦の地が変わる毎、旗印の紋様はそのままに染め色を変えるなどして用いていた )ことが伺い知れました次第です。)

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① 旗指物とは ↓ 

https://www.touken-world.jp/tips/43381/

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② 同モチーフの旗印を用いた 馬標(江戸初頭) の現物資料画像が観られます ↓
( 丸紋の表現 こちらのサイト様では  黒地5ツ白餅 と有ります)浅野長重伝来 → 刀剣ワールド財団 〔 東建コーポレーション 〕

https://www.touken-world.jp/search-flag/art0009470/

——

上記 ① ② に付きまして こちら ↓↓↓ のサイト様へのリンク先URLを掲載させていただいております。

◯ 刀剣の専門サイト・バーチャル刀剣博物館「刀剣ワールド」

https://www.touken-world.jp

膨大な現物資料、画像と探究と見識、まさにワールドでした。
歴女のれの字も持ち合わせておらず感覚人間の私にもとても分かり易く
大変勉強になりました次第です、感謝申し上げます。

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#旗指物


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何卒よろしくお願い申し上げます。

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