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交易の民の裂 - 1 / バンジャーラ族(20c中頃)

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砂漠の交易の民、バンジャーラ族の染織布のご紹介です。

素朴さと力強さと繊細さ
多様な感覚、多様な技法が共存する様子に惹かれて手に取りました。

この度ご縁が有りました3枚の中から(集合画像 17,18枚目 ご参照ください)先ずは1番大きな裂から。


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年代は一番若いながら(とは言え20c中頃の御歳70歳代くらいでしょうか)
擦れなどが少なく状態が大変良いことからも
祭礼用の敷き布あるいは戸口の掛け布として生まれたものでしょうか。
端に残糸が残っています、私財の収納袋として使われた形跡かあるいは
子安貝やポンポンなどの邪視避けを兼ねた装飾が縫い止められていたことをうかがわせますが定かでは有りません、
いづれ今の姿はタペストリーとして形を変えたもの。
( 一枚 裂 の姿に かえった と捉えています)


朴訥とした風合いの手紡ぎウール糸で全面に刺繍された土俗性の強いもの、
刺繍には、布の強度を高める実用としての役割も有ったようです。
オレンジと黄緑以外は全ておそらく大地の恵みからいただいた色かと思います。
赤やピンク、紫は茜やラックなど、藍の濃淡の幾色かと無染色の生成り。
糸は移動生活の中少しづつ揃えたのでしょうか、一度に色を染めた訳ではないことをそのグラデーションが伝えてくれ、またそれが美しさにもなっています。


サイドボーダーはコーチングステッチとシンプルなランニングステッチにて
まるで織りのようにそれぞれ異なる細やかなモチーフが刺し表されて
(ですが糸味と作り手の民のお人柄でか揺らいでいてそこがまた好ましい)
メインはチェーンステッチとブランケットステッチ(みちみち!)
中央に4つ並ぶ豊穣モチーフ八芒星(あるいは邪視避けの十字にも)
の中央には再び登場コーチングステッチ+ミラーワークで邪視避けの願いが込められて。
地布を埋め尽くすように(時に効果的に地の白色が生かされつつ)描くように針が運ばれています。
技法こそ違えど バルーチ族 (イラン、パキスタン、アフガニスタン辺境に住んだ民) の織りなすトライバルラグと、意匠の共通点が有ることにはたと気付く。


地布には、腰巻布などに用いられたものでしょうか
着古された荒い目の木綿布が2枚から3枚ほど継ぎ当てられつつ重ねられていることからも
砂漠での日常の中、慎ましやかながら祝いのためにと作られた事がうかがい知れます。

多様な加飾テクニックが用いられるバンジャーラテキスタイル全般に共通することとして、
交易の民の大切な家族でそして私財でもあったろう羊や山羊であったり
実りをくれる木々、花や果実、空、風、光、身の回りに有った大地の恵
それらが身を守るための護符や多幸の願いのモチーフへと姿を変え、それぞれの部族の中で伝承されて来たもの。
子安貝には吉祥の願いが込められ、ミラーワークやポンポンの房飾りなどは邪視避けと装飾(護身も)を兼ねて。

多くは砂漠地帯の厳しい自然環境の中で作られたもの、
身を守る為の術や情報も少なかった時代に
自らの部族のアイデンティティを込めそして平穏な暮らしへの祈りのもとに
女性たちが針を運んだ手仕事です。

そして、想像してみてください、遊牧民の暮らし。
テントと家畜と針(何製かしらね)とラクダに乗る分だけの必要最低限の家財道具と
過酷だったであろう住環境、その中で生まれた染織布と言う事を。


交易の時代に方々で他民族と関わってきた民ならでは
多様な技法が取り入れられていながらも、バンジャーラ染織の持つ
特有の力強さと繊細さ素朴さのいづれもが含まれているのは
バンジャーラ族の知見の豊かさや気質、インドの大地のなせる技でしょうか。

現代の染織市場でもなかなかに稀有なタイプかと思われます。

現代の暮らしでは
日々のインテリアを彩るアートピースとして
しっかりと厚手で、まだまだ状態も良く
清潔感も持ち合わせていますので実用として ラグ にお使いいただいても○ かと。
(その場合は、時折裏面を表にした状態で天日干しするお手入れで十分かと思います。この時代の染料は、色止めがなされていない場合が多いため、またコットン地に異素材のウールを刺してあるため、水にくぐらせると縮む可能性がございますため!)

当時の民の想いとその針仕事に心身で触れてみてください。

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: バンジャーラ族 :

かつてアフガニスタンからインド北西部ラジャスタンに移り住み、
インド北部からは小麦を、南インド地域からは塩などを運搬し交換する交易を生業とした民。
19c中頃から、イギリス統治と各地での鉄道の普及に伴い(20c半ばには全鉄道が国有化)その多くが交易の需要と職を失い、インド中央部から南部周辺地域(デカン高原周辺)へと定住化を余儀なくされて行ったインドの交易の民、ジプシーのルーツとも言われる。

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● 交易の民の裂 - 1 / バンジャーラ族

インド

バンジャーラ族(インド広域に分布するため、製作地域不詳とはなりますが引き続き追い求めてまいります。)

20c中頃

± W58 L92 cm 


* 製作地や材質、染料、技法などの詳細は上記の見解をご参照いただけますと幸いです。
(違っていましたら是非ご教示くださいませ!)

** 古裂ですので使用や経年によるスレや小穴、色抜けなどがみられる箇所もございます。
画像と見解をご覧頂いた上で、ご不明点がありましたら先ずはお問合せ頂けますと幸いです。


*** 参考文献  • インド 大地の布 岩立広子著
      • インドとパキスタンの染織 シェイラ•ペイン著

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