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香雲紗 旗袍(Qípáo) / 蝉の抜け殻

¥88,000 税込

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久々のまとまった雨の後に羽化したのでしょうか
泥にまみれたニイニイゼミの小さな抜け殻がそこここに。

丁度先日出会った 雲香紗 の * 旗袍(Qípáo)  のフォルムとそれから
泥で染められたそのお色味が、
数年間を土の中で過ごし、そして泥にまみれながらも健気に羽化し日の目を見た
蝉の抜け殻(最終画像)と、
先ずは使用人が着用し生地を柔らかく育てた後
貴婦人たちが纏ったという逸話(後述参照)とのイメージが
なんともはや重なりまして。

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中国南部、熱帯の地 広東より。

川がまだ汚染されず豊かな自然と共生していたころの、
薯莨(Shǔ liáng)=ヤムイモ の汁で浸し
灼熱の太陽で晒して茶色に下処理した絹織地を
珠江デルタ地帯周辺の湖沼の泥を塗り重ねる行程を繰り返して濃ゆい鉄色へと。
(柿渋染めの後のように染めを施した当初は硬く補強され、渋紙や渋皮のように張りの有る仕上がりなのだそう。)

その薄くて速乾性に優れつつも絹の上品な艶と染める事で堅牢さまでも持ち合わせた
彼の地の夏服に適した生地は当初、上流階級の貴婦人たちの衣服として仕立てられました、
 ** 香雲紗 と呼ばれるこちらの染め布。
(こちらのお品のように細やかな地紋の入った香雲紗は稀有だったようです→ 画像14-17枚目 16枚目は分かりやすいよう青空に透かして撮影しています)

艶やかさと上品さ、高温多湿な彼の地の風土に合った素材ゆえに先ずは上流階級の貴婦人たちがこぞって仕立てたのであろう* 旗袍(Qípáo)ですが、
そのハリの有る布がやわ肌には馴染まずに、
コシが取れて柔らかくなるまで先ずは使用人などに着用してもらい(!)
しなやかに生地を育てた後に身に付けたー
という逸話もある染め布となります。
(中国版wikipedia 雲香紗→ https://zh.m.wikipedia.org/zh-hk/%E9%A6%99%E4%BA%91%E7%BA%B1

幾度も水をくぐりそして時を経て、今ではしなやかに(画像18.19)
絹の持つ神秘的で上品な佇まいはそのままに
穏やかに佇んでいます。

紋紗なのに不思議と透け難い(画像13)のは染めの行程によるものでしょうか。

前身頃と後ろ見頃は肩山で折り返して襟を除いて贅沢に一枚から仕立てられ、
平面裁断による単純なつくりですが
素材と経年ゆえでしょうか体に付かず離れずしとやかに馴染みます。

* 旗袍(Qípáo) =チャイナドレス
** 香雲紗 明朝永楽時代 (15c) 起源 生産と輸出が始まる → 手工業としての全盛期は清朝(20c初頭)までとされる→20c中頃以降一時衰退→復興(2009年国家無形文化遺産登録=工業生産化)
*** YouTube に近年の 香雲紗 にまつわる動画が有りました (リンクは貼れませんので《 香云纱 第1集・第2集 CCTV 》で検索されてみてください、なんとも広大なそして人民力による壮大な手仕事、広東省の豊かな自然や植民地時代の名残が残る町並みなども垣間見られました、最終の方には今回のお品と同様の、清朝の香雲紗の数々が写り込んでいました。)

絹糸の精錬から、機織り、そして縫製までの
その全てが民の手工芸力と豊かな自然の恩恵によるもの。

この美しさの背景にあるものとはなんぞやかを
物を介しまた教えていただきました。 

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また、余談ではありますが文化の派生と浸透の時間軸からも、この後に
山岳部(ミャオ族)の民も自分たちなりの香雲紗=明亮布(こちらは絹ではなく、絹と見まごうほどの細番手で織り上げた木綿布に牛血と卵白+石砧)の民族衣裳の作成に繋がったのでは?と察してしまうのは私だけでしょうか。

蝉の声を聴きながらうだるような暑い夏の日に、
想いを当時に飛ばし頭を巡らせておりますがはたして。

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● 香雲紗 旗袍(Qípáo) / 蝉の抜け殻

19c末から20c初頭ごろ(清朝末期)

絹(紋紗)

裄38.5 
着丈103 
首10.5
胸44
胴41.5
腰49 cm(平置きにて採寸)

* お手入れの折には中性洗剤とぬるま湯にて、単体で押し洗いののち
タオル脱水→ハンガーにて吊るし干し(陰干し)
この段階でほぼ皺は残りませんが
アイロンを充てる場合には裏返し 低温+あて布 がおすすめです。

(当店にて手洗い済みの状態です、まだ若干茶色が水に出ました。
驚いたのは本当に乾きが早いこと、夜洗って朝にはすっかりしなやかサラサラに。)

手仕事の古いお品です、
染めムラあるいは色落ちの箇所が数箇所あります(画像12枚目のように白っぽく退色)
手染めゆえのことと察しております
気にされる方はご留意くださいませ。

布自体には力(リキ)があり、穴や裂けている箇所などは有りませんし実際に洗えましたので
まだまだ着られもする状態かと思いますが
ただしこちらのご婦人大変首が細うございます。

その分、衣裳として見たときのバランスが良く
その手仕事やフォルム、質感を壁面に飾り愛でられるのも○です。

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* ご注文時、配送料金の選択間違いが増えております。
実店舗にてお受け取りご希望(¥0)の場合、狭い店ゆえになるべくでしたら 7日以内 にてお願い致しております。
営業予定は等サイト内の BLOG にて随時、近日中の予定をご案内しております。
また、 ご注文メモ にご来店日の予定をお書き添えを頂けますと、梱包等でお待たせせずにお渡しのご用意が出来ますので助かります。


何卒よろしくお願い申し上げます。
FUCHISO

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#香雲紗
#旗袍

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